劇的3時間SHOW「FROGMAN」@スパイラルホールに行ってきた


FLASHアニメーション秘密結社鷹の爪やTOHOシネマズのマナームービーなどで有名なFROGMAN蛙男商会)ですが、私も以前から彼のファンで公式サイトのメルマガを受信していたところ、標記のイベントがあることを知りました。

劇的3時間SHOWとは?
劇的3時間SHOW」は、ゲーム、アニメ、マンガ、キャラクター、放送、音楽、映画、など各業界のコンテンツが一堂に会する世界最大規模の統合的コンテンツフェスティバル、「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」のオリジナルイベントと位置付け、コンテンツ業界の人材育成を目的としています。


並みいる有名クリエイターの中でFROGMANは何を語ってくれるのかとワクワクしてワクワクしすぎてあまりにも早く着いてしまった(17時受付だったが16時には余裕で着いていた)ために何と最前列のほぼど真ん中に近いところで見る羽目になってしまった。目の前で見られたのは良いが小心者ゆえ却って緊張してしまった。(笑)

トークショー日経ビジネスオンラインの山中氏とDLEの椎木社長を迎えて和やかにかつスピーディーに進行していきました。

第1部
FROGMANの過去〜現在
生い立ちなどはwikipediaを見て頂くとして(トークショーの中でも自分の紹介をwikipediaでやっていました。笑)、2002年に東京から島根に移り住み、現在の奥さんと知り合い結婚してものの、この頃はかなり苦労していたようだ。とにかく東京の(有名な)デザイナーと吹聴し、チラシやポスター、お土産物のクッキー缶のデザインなどを片っ端から手がけていたらしい。FROGMAN曰く、このころの制作物は「食べるための表現だった」と。
その後、青池良輔氏の『CATMAN』に触発されてFLASHを使った制作を開始、2004年に「菅井君と家族石」がネットで評判となりFLASHクリエイターとして頭角を出し始める。
2005年8月27日にDLE社長椎木氏と出会う。他社が制作物等の売り上げに応じた成功報酬でしか話を持ってこなかったのに対して椎木氏はリスク承知で投資をしてくれた。
その後鷹の爪など人気作品が次々にヒット。(鷹の爪の企画時には「ニューヨークで活躍するスシ職人ヒーロー」などという案もあったらしい。)
コマーシャリズムに侵されることを毛嫌いし小さな世界に収まってしまうクリエイターが多い中FLOGMANはバランス感覚を持って大きな世界へチャレンジしている。それはとりもなおさず食べるのにも困った挫折の期間・修羅場を乗り越えてきたからこそ彼が備えたものであると言えるのではということで第1部は終了。

第2部
これからのコンテンツビジネスを考える
コンテンツビジネスを考えるにあたって忘れてはならないのが、権利の問題である。画像・映像・音楽・声・・・全てが権利で縛られており、その確認や許可を取るのに苦労するという話はよく聞く。そこで面白いのはFLOGMANはその全てを自分一人で担っているということ。ご存じの方も多いとは思うが、彼の作っているFLASHアニメーションは見た目のクリエイティブはもちろんのこと声優に至るまで全て彼一人でまかなっているのである。当然ながら全ての権利はFLOGMANが持っているので、引用や改修などは彼一人がOKを出せば事足りてしまう。このスピード感も成功の要因の一つではないかと思う。
最近は地方テレビ局との取り組みが面白いらしい。テレビの世界はデジタル化が進むにつれて

  • オリジナルコンテンツが無い
  • 作るお金もない
  • これでは生き残れない

地方局は窮地に立たされるのは明らかである。
そこでFLASHアニメーションを使えば安くてオリジナルでネットを使えば世界の市場も見込めるということで、新たな取り組みが既に始まっているようだ。(SBS(静岡放送)など)
また面白いと思ったのが、NETを使って配信することで見る側の反応(ウケ)がすぐにフィードバックされるということだ。と、そこまでは普通の話だが、反応を見ながらドンドン作品をブラッシュアップしていく方法が落語家と非常に通ずるところがあるというのが興味深かった。落語家はその日の客の反応を見ながら話し方や内容をうまく変えていくということをするらしい。FROGMANは自分の仕事をこれに例えて「デジタル演芸」と称していた。

最後にFROGMANは「気付く」ことの大切さを語ってくれた。彼自身も特に絵が飛び抜けてうまいわけでは無く、声優としても名優では無く、FLASHの技術力がずば抜けているわけでもないが(失礼をお許し下さい)、そのことにキチンと気付き・受け入れて・認めて、その上でひとつひとつは100%ではないけれども、どれもそこそこは出来るから組み合わせれば何とかなるのではという発想でFLASHアニメーションの世界へ飛び込んでいったと。
実はこのことは私自身も以前より「本当の自分を認める」ことを信条としており、FROGMANのこの言葉を聞いて、何となく彼の作品や考え方と通じるところがあると感じてたのはお互いにベースが似ていたのかなぁと感じました。

機会があったら是非FROGMANとお友達になりたいなぁ。。。
これからも応援していきます。

今回のイベントは本当に行ってよかった。楽しく刺激を受けました。